被害者側の過失とは、被害者と身分上あるいは生活関係上一体をなすとみられるような関係にある者の過失のことです。このような関係にある者に過失があった場合に、被害者に過失があったと同様に考え、過失相殺されます。

これは、飛び出しのような被害者自身に過失があった場合に、たとえば3対7、というように損害賠償額から引かれる「過失相殺」とは異なり、被害者本人でない者の過失に基づき損害賠償額が差し引かれるものです。

たとえば、夫が運転し、妻が同乗していた自動車で、夫の不注意で第三者の運転する自動車と衝突し、妻が負傷した場合、妻が第三者に損害賠償を請求したときには、夫の過失について考慮され、損害賠償額が減額されることになります。

仮に妻が第三者に損害賠償額全額を請求して支払いを受けたとしても、第三者は夫に対して過失割合に応じて支払いを求償することになり、二度手間になります。そこで、夫と妻のように、家計をともにし、生活関係上一体をなす関係にある場合には、被害者側の過失として過失相殺し、公平で合理的な解決を図れるようにしたものです。

「被害者側」に含まれるものとして、夫婦、未成年の子どもと親、同居している兄弟が挙げられます。

交際中の男女については、裁判例をみると、婚約中で近いうちに結婚する予定であった男女については、同居の事実があるわけではないから、被害者側には含まれないとしていますが(最高裁平成9年9月9日判決)、内縁関係にある男女については、共同生活を営んでいるため、身分上、生活関係上一体をなす関係にあるとして、被害者側に含まれるとしています。

また、親族関係等になくても、会社の代表取締役が、業務のために従業員に自動車を運転させ、代表取締役が負傷した場合、運転者である従業員の過失を被害者側の過失とした裁判例もあります。(東京地裁昭和61年5月27日判決)

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