交通事故で死亡した場合、損害賠償額として請求できる主な項目には、以下が挙げられます。

①葬儀費

②死亡逸失利益

③慰謝料

④弁護士費用(裁判をした場合)

上記以外でも、即死ではなく、治療の後に死亡した場合は、実際にかかった治療費、付添看護費、通院交通費等を請求することができます。また、損害賠償請求をする際に必要となる診断書、診療報酬明細書、交通事故証明書等の文書の取得にかかった費用も、損害賠償関係費として請求できます。

では、25歳大卒独身男性が死亡した場合の損害賠償額がいくらになるのかを具体的にみていきましょう。

なお、弁護士が依頼を受けて交渉や裁判を行う場合、損害賠償額の算定については、日弁連交通事故相談センターが出している書籍「民事交通事故訴訟損害賠償算定基準」(通称「赤い本」と言います)を使用しますが、この赤い本に書かれている基準を「裁判基準」といいます。以下の金額はこの裁判基準によりますが、通常、保険会社が示談の段階で提示してくる金額は裁判基準より低い場合がほとんどですので、注意が必要です。

①葬儀費

原則150万円とされています。150万円を下回る場合は実際に支出した額となります。

②死亡逸失利益

死亡逸失利益とは、被害者が交通事故で死亡したことによって、将来労働により得られたはずの収入を得られなくなったために失われる利益のことです。

死亡逸失利益は下記計算式で算定されます。

 

基礎収入×(1-生活費控除率)×就労可能年数に対応するライプニッツ係数

基礎収入とは、交通事故で死亡しなければ将来労働により得られたであろう収入額です。

生活費控除とは、生きていれば支出を余儀なくされた生活費分を、基礎収入から差し引くことです。生活費控除率は、被害者が一家の支柱で被扶養者が1人の場合は40%、一家の支柱で被扶養者2人以上の場合は30%、女性(主婦、独身、幼児等含む)の場合30%、男性(独身、幼児等含む)の場合は50%が目安となっています。

就労可能年数は、原則として67歳までとされています。ただし、職種、能力、地位等によって、67歳を過ぎても就労することが可能であったと考えられる事情がある場合には、67歳を超えた分についても認められることもあります。

ライプニッツ係数とは、損害賠償の場合、将来にわたり受け取るはずであった収入を前倒しで受け取るため、将来の収入時までの年5%の利息を複利で差し引く係数のことです。

25歳大卒独身男性で、年収300万円の被害者の場合は、基礎収入をいくらとすべきかが問題となります。

なぜならば、若年労働者の場合は働き始めて間もないため、当初は収入額が賃金センサスの全年齢平均賃金を下回っていたとしても、一般的には勤務年数等に基づき昇給され年収も増加することが考えられるため、事故当時の年収を基礎とすると、事故に遭わず働き続けていれば得られたであろう収入額よりも低い収入額を基礎とすることになってしまうからです。

そこで、裁判基準では、概ね30歳未満の若年労働者の場合には、全年齢平均の賃金センサスを用いるのを原則とする、としています。

今回の被害者は大卒ですので、賃金センサス平成23年の男性大卒全年齢平均賃金6,460,200円を基礎収入とします。

生活費控除率は、50%とします。

 

6,460,200円×(1-0.5)×17.4232=56,278,678円

 

③慰謝料

被害者が一家の支柱の場合は2800万円、母親・配偶者の場合は2400万円、その他

(子供、成人独身者、高齢者等)の場合は2000万円~2200万円が慰謝料の相場と

されています。

今回の被害者は成人独身者ですので、2200万円を慰謝料とします。

なお、近親者の固有の慰謝料が認められる場合があります。

 

④弁護士費用

弁護士に依頼し裁判で損害賠償を請求した場合、請求認容額の10%程度を弁護士費用と

して加害者側に負担させることができます。これは実際に支払う弁護士費用とは無関係で

す。

 

上述した請求額は、

1,500,000円(葬儀費)+56,278,678円(死亡逸失利益)円+22,

000,000円(慰謝料)

=79,778,678円

となりますので、弁護士費用は79,778,678円の10%の7,977,867円

とします。

 

以上から、25歳大卒独身男性、年収300万円の被害者が死亡した場合の損害賠償額の合計は、

 

1,500,000円(葬儀費)+56,278,678円(死亡逸失利益)円+22,

000,000円(慰謝料)+7,977,867円(弁護士費用)

=87,756,545円

 

となります。

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