交通事故の死亡事故・後遺障害被害者の質問に回答
交通事故弁護士相談Q&A

自賠責保険と任意保険の関係

2013年12月03日

自動車保険には自賠責保険と任意保険がありますが、どちらから賠償金を受け取ったらよいでしょうか?両保険の関係を教えてください。

弁護士からの回答

自賠責保険とは,自動車損害賠償保障法に基づいて加入が義務づけられている保険です。

これに対し,任意保険とは,文字どおり加入するのが自由な保険です。

自賠責保険は,人身事故による人身損害を保障することを目的としたものであり(そのため,物損事故には適用がありません),最低限の保障をその内容としているため,損害の全てを填補するには不十分です。

そこで,自賠責保険では填補できない損害を補うために,任意保険が存在しています。

つまり,自賠責保険が人身損害の最低限の部分,任意保険が物損も含めた損害の上乗せ部分を保障するという関係にあります。

自賠責保険と任意保険は上記のような関係にあるのですが,どちらから先に支払ってもらうのかについては被害者の方が選択することができます。

具体的には,まず自賠責保険会社に対し,被害者請求として,損害賠償額の請求等を行い,先に自賠責保険金を受け取った上で,足りない分を任意保険会社から支払ってもらう方法があります。

次に,自賠責保険には請求せずに,任意保険会社に対し賠償金の請求を行い,一括払いという方法で任意保険会社が,自賠責保険が支払う分も含めて被害者に賠償金を支払うという方法があります。

なお,後者の場合には,後日,任意保険会社が自賠責保険の額を自賠責保険会社に請求することになります。

それでは,佐藤さんのご質問にもありますように,どちらから賠償金を受け取った方がよいでしょうか。

結論から言いますと,どちらがいいかは具体的な事案にもよりますので,一概に言うことはできません。

例えば,裁判での遅延損害金を考慮すると,任意保険から賠償金を受け取った方が有利であると考えることができます。

裁判で判決まで進めた場合には,損害額に年5%の遅延損害金が付加されるところ,先に自賠責保険金を受け取っていると,その分請求総額が減額しますので,損害額に対する遅延損害金も減ることになるからです。

他方で,訴訟提起時には,請求額に応じて裁判所に印紙代を納める必要があるところ,先に自賠責保険金を受け取っておけば,請求額が減り,印紙代の支出を抑えられるという点を重視すると,自賠責保険から賠償金を受け取った方がいいともいえます。

他には,金銭に困窮しているにもかかわらず,任意保険会社が治療費や休業補償などを支払ってこない場合には,すぐに必要なお金に影響を与えるため任意保険会社に任せず,自賠責保険から先に賠償金を受け取った方がいいでしょう。

また,被害者の方の過失が大きい場合には,任意保険会社が支払を渋る可能性があります。

この点,自賠責保険においては,7割以上の過失でなければ支払額を減額されることはないため,被害者の方の過失が大きい場合にも自賠責保険から先に賠償金を受け取った方がいいといえます。

このように,自賠責保険と任意保険のどちらから賠償金を受け取った方がいいのかについては,被害者の方がどのような解決を望むのか,今すぐにまとまった金銭が必要か,被害者側の過失は大きいか,といった事情によって結論が変わってくるところですので,迷った場合には弁護士に相談された方がよいかと思います。

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