交通事故の死亡事故・後遺障害被害者の質問に回答
交通事故弁護士相談Q&A

後遺障害等級1級で既往症?

2014年02月24日

父が車にひかれ、重い後遺症が残りました。

両下肢が使えなくなり、第1級との認定です。示談を前提に加害者の任意保険会社の担当者と打ち合わせをしたのですが、提示金額に疑問をもっています。

というのも、もともとあった既往症のために減額になるというのです。じつは父は3年前に脳梗塞を患い、現在60歳ですが下半身に麻痺が残り歩行が不自由でした。だからといって、今回の事故とは関係ないんじゃないですか?

弁護士としての見解を教えてください。

弁護士からの回答

既往症の存在を理由に減額される場合として、判例によれば、①加害行為と既往症が共に原因となって損害が発生した場合であって、②当該既往症の態様、程度などに照らし、加害者に損害の全部を負担させることが公平を失するときには、既往症の存在を理由として減額がされるものとされています。

加害行為と既往症が共に原因となって損害が発生したか否かについては、事実認定の問題となりますが、たとえば、交通事故による加害行為の程度によっては既往症がない場合であっても自賠責後遺障害等級が認定されるような後遺障害を負ったような場合には、共に原因となって損害が発生したとは認められない場合がありますし、加害行為から通常予想される結果を超えているような場合には、共に原因となって損害が発生したと認められる場合があるといえます。

この共に原因となって損害が生じたか否かは、事故の態様・程度、傷害の部位・程度、初期症状、医学的他覚的所見などから予測される予後と実際に発生した損害との均衡(損害が加害行為によって通常発生する程度、態様を超えるか否か)を個別具体的に検討する必要があります。

次に、当該既往症の態様、程度などに照らし、加害者に損害の全部を負担させることが公平を失しない場合には、既往症が共に原因となって損害が発生したと認められる場合であっても、減額がなされない余地があるといえますが、その適用の場面は極めて稀なケースであるとされています。

したがいまして、ご相談の件につきましては、交通事故により既往症と同じ下肢に障害が生じておりますが、その障害の程度が、事故の態様・程度等から通常発生すると予測される程度・態様を超えていると認められる場合には、加害行為と既往症が共に原因となって損害が生じたとして、減額がなされる可能性があるといえます。

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